「雨水」とは、二十四節気の中で2番目にあたり、春を象徴する節気の一つです。
日本ではかつて、旧暦（天保暦）の時代に季節の変化を示すために様々な名称が用いられていました。
現在は新暦（グレゴリオ暦）を採用しており、この節気の意味は一般的にはあまり知られていません。
「今日から雨水です」と言われても、多くの人にとっては馴染みが薄いかもしれません。
雨水の時期に雛人形を飾る習慣がある理由についても興味深いでしょう。
この記事では、雨水の意味や由来、2024年の日付け、この時期に旬な食材や季節の花などについても詳しく解説しています。
雨水2024はいつ？
2024年の雨水は2月19日月曜日に設定されています。
この日付は毎年変わるため、一定ではありません。
その理由は、二十四節気が定期法に基づいて決定されるためです。
定期法では、太陽の黄道を24等分し、春分点を基点として15度ごとに変わる瞬間を各節気の開始点としています。
二十四節気は特定の日を指すこともあれば、次の節気までの期間を指すこともあります。
2024年の雨水は2月19日から次の節気である啓蟄（3月４日）までの期間と考えることもできます。
雨水の読み方
雨水の読み方についてですが、正しい読み方は「うすい」です。
一般的には「あまみず」と読むこともありますが、二十四節気における雨水は「うすい」と読むのが正しいです。
雨と水という漢字は小学校低学年で学ぶため、「あまみず」と読んでしまうこともありますが、節気としての雨水は「うすい」が適切です。
雨水の意味と由来
雨水の意味と由来を解説します。
雨水とは、文字通り「雨の水」を指し、「空から降るものが雪から雨に変わり、雪や氷が溶け始める時期」を意味しています。
二十四節気の一つであり、春の訪れを告げる節気です。
立春が春の始まりを告げる節気であり、その次が雨水です。
ただし、新暦を用いる現代では、立春や雨水の時期でも春を実感しにくいことが多いです。
旧暦では「春」とされたこれらの節気が、新暦では1ヶ月から1ヶ月半ほどの時差があるため、季節感にズレが生じることがあります。
雨水と雛人形の関連について
雛人形を飾る習慣は、中国の五節句と日本の形代の風習が組み合わさったものです。
中国では、陰陽五行説に基づき、奇数が重なる日を強い陰の日とし、川で邪気払いを行う上巳節がありました。
この上巳節が日本に伝わり、3月3日の上巳の節句、つまりひな祭りとして祝われるようになりました。
また、日本固有の風習として、川に形代（人形）を流し、自分の代わりに厄を払う儀式も行われていました。
雨水の時期は、雪が雨に変わり川の水量が増える季節です。
川は、禊（みそぎ）に使われるだけでなく、生命の源として古来から重視されてきました。
このため、雨水の日に雛人形を飾ると縁起が良く、良縁に恵まれるとされてきたのです。
一方で、雛人形はひな祭りが終わると早めに片付けるべきとされ、遅れると娘の結婚に影響するという言い伝えもあります。
しかし、雛人形を飾る日についてはあまり知られていないかもしれません。
雨水の日に飾ることで、その縁起の良さを試してみるのも良いでしょう。
雨水旬の食材
雨水は2月中旬から3月上旬にかけての季節を指します。
この時期に旬を迎える食材には、山菜類が含まれます。
特にふきのとうやたらの芽、うどなどが挙げられ、これらは開ききる前に収穫するのが良いとされています。
ふきのとうは開き過ぎると苦味が強くなるため、早めの収穫が推奨されます。
これらの山菜は天ぷら、お浸し、酢味噌和えなど、さまざまな料理で楽しむことができます。
また、春キャベツもこの時期に旬を迎えます。
普通のキャベツに比べて葉が柔らかい春キャベツは、雨水の季節に食べごろとなります。
さらに、2月に旬を迎えるいよかんもこの時期の代表的な果物です。
ひな祭りには欠かせない食材としてはまぐりもあります。
2月から4月にかけて旬を迎えるはまぐりは、春先の産卵のため栄養をたっぷり蓄えており、風味豊かです。
はまぐりは対の貝同士しか合わないため、「良縁に恵まれる」という言い伝えがあることから、ひな祭りの際に食べるのが一般的です。
雨水の季節に咲く花
雨水の季節に咲く代表的な花としてオオイヌフグリがあります。
この花は、青い花びらに紫色の筋が特徴的な美しい花で、道端などで容易に見つけることができます。
オオイヌフグリの花言葉は「愛くるしい」とされており、寒い冬から暖かい春への移り変わりに相応しい花です。
オオイヌフグリです❀. pic.twitter.com/hL2PQITALo
— とあってぃ (@toattydesudoumo) October 22, 2023
また、雨水の季節に咲くもう一つの花がアネモネです。
アネモネは一重咲き、半八重咲き、八重咲きのバリエーションを持ち、ピンク、赤、青、白、紫など多様な色彩を楽しむことができます。
その鮮やかな色合いは春の訪れを感じさせ、季節の変化を象徴する花と言えます。
アネモネ pic.twitter.com/ym0v4icC1X
— 21🎨 (@nii211ow) December 18, 2023
雨水季節の言葉とは？
「雨水」という言葉は、そのままの意味で空から降る雨の水、あるいは雨が降って地に溜まる水のことを表します。
旧暦においては、「雪が雨に変わる時期」や「これまでに降り積もった雪や氷が溶けて水になる時期」を意味する言葉として用いられていました。
この用語は旧暦の2月中旬、具体的には正月寅の月の中気に相当し、新暦では2月19日頃に当たります。
雨水は、寒さが和らぎ春への移り変わりを告げる季節の節目を象徴する言葉です。
おはようごさいます🌅
如月(きさらぎ) #050
季節の言葉
〖雨水〗 うすい
立春の15日後の2月19日頃降る雪が雨に変わる時季。
イメージ(GiFT画像左⬅️)#雨水風が吹く日が続いてますね。暖かくお過ごし下さい
善き一日となりますように#イマソラ #旭#今庭 #ロウバイ #TLを花で一杯にしよう pic.twitter.com/NOWxn0ToD0
— 神辺紗織＊.:*:・❄️🌙🌸 (@zVTY0DkdYNmSc8I) February 18, 2022
季語の雨水
雨水は、俳句において季語として用いられ、春の時候、特に「初春」を象徴する言葉です。
季語としての「雨水」は、春の始まりを感じさせる情景を表すのに適しています。
しかし、日常の挨拶や手紙などで「雨水の候」という表現を用いるのは一般的ではありません。
このような文脈での使用は、季節を表す言葉としての「雨水」の特性を考慮すると、やや不自然な感じがあります。
通常、時候の挨拶では、より広く理解されている季節の言葉が選ばれることが一般的です。
雨水2024はいつ？のまとめ
雨水は二十四節気の中で立春に続く2番目の節気で、読み方は「うすい」となります。
この節気は、「雪が雨に変わり、積もった雪や氷が溶け始める時期」を意味しますが、旧暦と新暦の日数のずれにより、現代では雨水の時期でもまだ冬のような寒さを感じることが多いです。
それでも、雪が雨に変わる様子は春の訪れを予感させます。
雨水の時期には3月3日のひな祭りが含まれており、この時期に雛人形を飾ることは良いとされています。
2023年の雨水は2月19日に当たるため、この日に雛人形を飾って、良縁を願うのも良いでしょう。
雨水の時期は、少しずつ春に向かう自然の変化を感じる特別な時期と言えます。
2024年の雨水は2月19日となっていますので、ぜひこの日に飾って良縁を願ってみてはいかがでしょうか。
