「昭和の日」について掘り下げてみました。
この日はかつて異なる名称で知られていた祝日で、時代の変遷と共にその名前も新たになりました。
明治、大正、そして昭和と、各時代の変わり目は人々の生活に大きな影響を与え、特に昭和時代は戦後復興期を経て社会が急速に変化した記憶深い時期です。
多くの人がその変化を懐かしみながらも、昭和の日がなぜその名で呼ばれるようになったのか疑問に思う方もいるでしょう。
また、その変更の背景にはどのような意味が込められているのか、知らない方も少なくありません。
今回は、昭和の日の意味や由来、そして「みどりの日」から名称が変更された経緯について紹介します。
昭和の日とは？
2024年の昭和の日は4月29日に設定されています。
この日は多くの人にとってゴールデンウィークのスタートと認識されており、日付自体は広く知られています。
しかし、この日を「昭和の日」として認識している人は意外と少なく、かつては「天皇誕生日」として覚えている人も多いかもしれません。
実際に、祝日の名称が変更されたことに気づき、驚かれた方もいるでしょう。
では、なぜかつての天皇誕生日が「昭和の日」と呼ばれるようになったのでしょうか。
この変更の背景にはどのような意味があるのか、続きで詳しく解説します。
昭和の日の意味や由来とは？
かつて4月29日は昭和天皇の誕生を祝う「天皇誕生日」として祝われていました。
ですが、昭和天皇のご崩御と現在の天皇の誕生日が12月23日であることに伴い、天皇誕生日の祝日は12月23日に変更されました。
この変更により、昭和天皇の誕生日は祝日ではなくなる予定でした。
しかし、長年にわたる祝日としての伝統と国民生活への影響を鑑み、1989年からこの日は「みどりの日」として再び祝日に指定されました。
これは昭和天皇の自然愛を反映したものです。
しかし、2007年にはさらに祝日法が改正され、「みどりの日」から4月29日は「昭和の日」として新たに定められました。
これにより、4月29日は昭和時代を振り返り、将来に思いを馳せる日として、再び国民に親しまれる祝日となりました。
祝日法によれば、昭和の日は「激動の時代を乗り越え、再建を成し遂げた昭和時代を振り返り、未来への展望を抱く」日とされています。
昭和時代は多くの変革を経験した時期であり、戦争の終結後に日本が立ち直り、現代社会の基盤を築き上げた重要な時代でした。
この時代には1964年の東京オリンピックや高度経済成長期があり、日本国民の生活水準が飛躍的に向上しました。
昭和の日は、そうした過去を忘れず、今後の日本の発展に向けた取り組みを考える機会として重要です。
ゴールデンウィークの始まりとして楽しむことも大切ですが、この日の深い意味を理解し、意義ある時間を過ごすことも推奨されています。
昭和の日がみどりの日から変更になった理由
昭和の日は天皇誕生日からみどりの日、そして昭和の日へと名称が変更された珍しいケースです。
最初に名称変更が議論された際、すでに「昭和の日」とする提案がありました。
ですが、当時「昭和」という言葉が持つイメージに対する懸念から、この提案は採用されませんでした。
その結果、代替案として「みどりの日」が選ばれ、祝日の名称が変更されました。
しかし、昭和の日への改名を望む声は引き続き存在し、複数回にわたって国会に改名法案が提出されましたが、当初はいずれも否決されています。
2004年に再び提出された法案が2005年に可決され、最終的に2007年の施行により、みどりの日から昭和の日への名称変更が実現しました。
この変更により、昭和天皇の誕生日を記念する日として、改めて昭和の日が祝日となったのです。
みどりの日は無くなったの？
昭和の日への変更後、みどりの日は5月4日に移され、その日付で祝日として継続しています。
5月4日はもともと、5月3日の憲法記念日と5月5日のこどもの日にはさまれた日で、この間の日を「国民の休日」として設けることで長い休暇が保証されていました。
みどりの日が5月4日に設定されたことにより、ゴールデンウィークの一部として、より一層充実した連休を楽しむことができるようになりました。
昭和の日を英語で言うと
昭和の日は英語で “Showa Day” と表現されます。
ただし、この表現だけでは海外の人に昭和の日の意味を十分に伝えることが難しい場合があります。
そのため、「4月29日は昭和の日です。以前はこの日が昭和天皇の誕生を祝う日でしたが、1988年のご崩御に伴い、この記念日は天皇誕生日から昭和の日に改称されました。」といった説明文で伝えてみてはどうでしょう。
この日本語の文章を英語で言うなら、「April 29th is Showa Day. Previously, this day was used to celebrate the birth of Emperor Showa, but following his death in 1988, this anniversary was renamed from Emperor’s Birthday to Showa Day.」です。（※google翻訳を使用しています）
昭和の日とは？のまとめ
「昭和の日」に対する賛否両論は依然として存在します。
特に、昭和時代を戦時期と結びつける見方をする人々からは、この日を祝祭日として祝うことに異議を唱える声があります。
しかし、既に名称が二度変更されているため、更なる変更が行われる可能性は低いと考えられます。
私たち現代人は、昭和の歴史を忘れることなく、戦争のない平和な社会を未来に向けて築き上げていく責任があると思います。
