新年の初めに多くの人々が初詣に出かける様子は、お正月の代表的なニュース映像となっています。
かつては「恵方」という、その年の吉とされる方角に位置する寺社を参拝する習慣がありました。
しかし現在は、歴史が深く、願いを叶えるとされる寺院や神社への参拝が一般的です。
例えば、試験に挑む人々は学問の神様を祀る神社を、婚活中の人々は縁結びの神社を選んで参拝することが多いです。
ここでは、初詣はいつまでに行くのが良いのか、また、初詣の本来の意味とは何なのかについて紹介します。
初詣の意味や由来は?
初詣の意義と由来について解説します。
初詣とは、新年に初めて神社や寺院に参拝することを指します。
参拝者は、過ぎた一年の感謝と、新年の健康と幸福を願ってお参りします。
元々、初詣は「年籠り」という行事から派生したものとされています。
年籠りとは、大晦日から元日にかけて、豊穣や家族の安全を祈願して神社に籠る行事でした。
時間が経つにつれ、「除夜詣」(大晦日の夜に参拝すること)と「初詣」(元日の朝に参拝すること)に分化しました。
また、初詣はかつて「恵方参り」として、その年に吉とされる方角にある寺社への参拝から始まりました。
ですが、現代では恵方にこだわらず、利益がありそうな、または自宅に近い神社や寺院を選んで参拝する人が多いようです。
お寺と神社どちらに行くべき?
新年を迎え、初詣に出かけることを考える人は多いでしょう。
しかし、初詣は神社かお寺のどちらに行くべきかという疑問を抱く方もいるかもしれません。
実際、近くにあるお寺を訪れる方もいれば、特別なご利益を求めて選んだ神社に行く人もいます。
重要なのは、初詣は神社でもお寺でもどちらでも良いということです。
新年に神社やお寺を参拝すること自体が初詣とされており、どちらに行っても問題はありません。
また、神社とお寺の両方を訪れるのも良いです。
それぞれ異なる神様やご本尊が祀られているため、複数の場所を参拝しても構いません。
ただし、特定の宗教や神道を信仰している場合は、その教えに従って参拝先を選ぶこともあります。
昔は、地元の氏神様を祀る神社や先祖の眠る菩提寺への参拝が一般的でした。
神社やお寺選びで迷っている方は、このような伝統的な考え方を参考にしてみるのも良いでしょう。
初詣はいつからいつまで?
初詣はいつからいつまでに行けばいいのかと言った具体的な期間については、明確なルールは存在しません。
一般的な考え方を紹介します。
元日に行くもの
初詣は、新年の元日に行くという考え方がありますが、これは必ずしも全てに当てはまるわけではありません。
三が日以内に行く
多くの人々が、三が日(1月1日から3日)の間に初詣に行くという考えが一般的です。
この期間に参拝することが広く受け入れられています。
松の内までに行く
松の内(地域によって異なりますが、1月7日までや1月15日までの期間)までがお正月と考えられているため、この期間内に初詣に行くという意見もあります。
地域による違い
地域によっては、1月中であれば初詣として認められるところもあります。
そのため、地域の習慣を考慮して予定を立てることも良いでしょう。
最終的には、初詣の時期は個人の都合や信仰に合わせて柔軟に決めても良いでしょう。
一般的には、三が日以内に行くという考えが浸透していますが、それに縛られる必要はありません。
初詣のお賽銭の金額に決まりはある?
初詣でのお賽銭の適切な金額は、実は特に定められていません。
お賽銭は願い事を叶えてもらうための金額ではなく、神様への感謝や願い事が叶ったことへのお礼を示すものです。
金額が高いほど願いが叶いやすいというわけではありません。
お賽銭箱には、様々な額面の硬貨や紙幣が見られますが、これは個人の感謝の気持ちの表現と考えられます。
ただし、金額によって縁起の良い組み合わせとされるものがいくつかあります。
以下はその例です。
20円 :二重に縁がありますように
21円または31円:割り切れない数で、長く続く縁を意味する
40円 :末広がりの縁(5円8枚で)
50円 :五重の縁(5円10枚で)
一方で、10円玉は「遠い縁」と読まれることから、縁起が良くないとされることもあります。
また、65円、75円、85円、それぞれ「ろくなご縁がない」、「なんのご縁もない」、「やっぱりご縁がない」という意味合いを持っています。
さらに、95円、500円はそれぞれ「これでもご縁がない」、「これ以上硬貨(効果)がない」という意味合いを持つため、好ましくないとされることもあります。
結局のところ、お賽銭はあくまでも自分の感謝の気持ちを表すものであり、金額は自分の心情に合わせて決めるのがベストです。
松の内とは?
「松の内」とは、新年に門松を飾る期間を指します。
門松のほか、しめ縄や鏡餅もこの期間中は飾られます。
元々は1月15日までが松の内とされていました。
この日に歳神様が天に戻り、その後の1月20日に行われる鏡開きで、歳神様に供えられた鏡餅を食べることでお正月の行事が締めくくられていました。
しかし、徳川家光が4月20日に亡くなったことから、関東地方では「20」という数字を忌避する風習が生まれ、鏡開きが1月11日に変更されました。
これに伴い、松の内も短縮され、1月7日となりました。
そのため、関東地方では1月7日までが松の内、11日が鏡開きとして定着しました。
一方、徳川家の影響が少なかった関西地方では、今でも1月15日までを松の内、20日を鏡開きとする地域が多く残っています。
このように、松の内は地域によって異なる期間を指すことがあります。
初詣の意味や由来は?のまとめ
初詣に関する意味や由来を紹介しました。
初詣で神社に行った際は、鳥居をくぐるときには中央を避けて歩くことが推奨されます。
中央部分は、神様が通る道とされているため、敬意を表して避けるのが一般的です。
また、初詣を終えた後は、できるだけ寄り道をせずに直接家に帰るのが良いとされています。
これは、神様からいただいた恩恵や力を自宅に持ち帰るためと言われています。
これらの習慣は、初詣の際に神様への敬意を示し、神様からの恩恵を大切にするためのものです。