春のお祭り、特に桃の節句は古くは男女の子供たちが共に祝う行事でした。
それが、時が経つにつれ、端午の節句は男の子のための祭りとなり、こいのぼりや鎧兜が飾られるようになりました。
一方で、桃の節句は女の子のための日として、雛人形が飾られるようになりました。
この変化により、雛人形には女の子の健やかな成長を願う深い意味が込められるようになりました。
雛人形は単なる装飾品ではなく、両親や家族からの愛情と願いがこめられた大切なものです。
しかし、いずれはその役割を終える時が来ます。
そこでこの記事では、役割を終えた雛人形はどのように処分や供養したらいいのか、処分のタイミングについても紹介します。
雛人形の処分や供養の仕方は?
もし家に十分な収納スペースがある場合、雛人形を思い出の品として保管するのも良い選択の一つかもしれません。
例えば、娘が結婚して家を出た後も、雛祭りの時期になると彼女の子供時代を懐かしんで雛人形を飾る親御さんもいます。
ただし、長い間箱の中にしまわれたままの雛人形が存在することも珍しくありません。
引っ越しで収納スペースが不足することもあるかもしれません。
それでも、長年の間、身代わりとして災いを避けてくれた雛人形を単なる廃棄物として処分するのは心苦しいものです。
そのような場合、寺院や神社で行われる人形供養を利用するのも一つの方法です。
もし近くに人形供養を行っている場所が見つからない場合は、日本の人形協会などが郵送で雛人形を受け取ってくれるサービスを提供していることもあります。
雛人形の処分のタイミングは?
雛人形は女の子のお守り
雛人形の起源は、昔の上巳の節句に行われていた厄払いの儀式にさかのぼります。
この儀式では、草や藁で作られた人形(ひとがた)で身体を撫でて、厄や穢れを移して川に流していました。
また、貴族の家庭では、女の子たちが紙で作られた人形を使って遊ぶ「ひいな遊び」が行われていました。
このひいな遊びと厄払いのための人形(ひとがた)が結びついて、現代の雛人形が誕生したと考えられています。
現在でも、雛人形は女の子の身代わりとして厄や災難を引き受けるお守りとしての意味合いを持ち続けています。
また、もともとはお雛様だけであった雛人形が、理想的な夫婦を象徴する天皇・皇后のような形に進化し、お内裏様(男雛)と一対になるようになったと言われています。
雛人形の処分はどうすべき?のまとめ
雛人形は単にその見た目の魅力だけでなく、女の子の身代わりとして厄や災いを引き受けてくれるという重要な役割を担っています。
このため、雛人形を扱う際は粗末に扱うことなく、敬意を持って丁寧に扱い、役目を終えた際には感謝の気持ちを込めて適切に供養することが望ましいです。
雛人形を処分しなければならない場合は、寺院や神社で行われる人形供養を利用するのもいいでしょう。